赦しの隠された意味
セルゲイ・O・プロコフィエフ(著)
和田悠希・遠藤真理(共訳)
私達の世界では争いごとがつきません。
家庭内のもめごとから国家間の武力対立、そこから生じる血なまぐさい復讐の連鎖に至るまで、全ては赦し合うという道徳的行為によってのみ終わらせることができます。
赦しは、愛、互いに対する敬意、平和をもたらす力になれるのです。赦すという人間の魂の能力は、現代の諸問題を解く鍵となりうるのです。(本文抄訳)
*
意識魂の時代にあっては個人が「赦す」という決断に至るためには、単に外側から与えられた教科書的なモラルだけでは不十分です。自分のうちなる自由によって、その必要性を認識しない限り、本当の決断には導かれません。本書で開示される世界観はまさしく「赦す」という行為を可能にするような認識に直結しています。(訳者あとがき)
ロシア芸術を背景に育った筆者が
渾身の情熱をこめて語る、
シュタイナーの霊学とロシアの霊性との結合
赦しの秘教的認識論
(P280〜P281「訳者あとがき」より)「プロコフィエルは現在最も活躍している人智学者の一人といえます。まだソ連共産党政権下に書かれた処女作『ルドルフ・シュタイナーと新しい秘儀の誕生』を始めとし、現在に至るまで五十冊余りの著書があります。扱われているテーマは、「秘儀参入論」「クリスマス会議」「悪の問題」「復活の意味」「キリストとエーテル界への再臨」「東欧民族の霊的使命」「自由の哲学」など多岐にわたっています。その多くが数百ページを超える大著です。しかも多くの著書はドイツ語版がでるとすぐに英訳され、英語圏でも高い支持と評価をえているようです。
彼の魅力はなんといっても与えられたテーマの奥底まで浸透していく、強靭で透徹した思考力ではないでしょうか。この魅力は本書でも遺憾なく発揮されています。また、現在人智学の分野は、実践的で具体的な教育方法、治療、農業など現実的な応用面に重点が移っているようにみえますが、プロコフィエフはそれらの最も核となるキリスト論を純粋に追及している数少ない人材といえます。
プロコフィエフの著書の中で、「赦し」という日常的テーマについて書かれた本書はやや特異ともいえます。しかし、これは私たち現代人にとってきわめて身近な問題でもあります。」
- 目次
- 日本の読者のみなさまへ
まえがき
I 赦すこと ― 現代の緊急な課題
II 主の祈りの第五請願と第五アトランティス文化期
III 七つの例にみる赦しの行為
IV 霊学的観点からみた赦すことの本質
V 赦しと現代におけるキリストへの道
1 第一段階
2 第二段階
3 第三段階
4 第四段階
5 敵対勢力の救済
6 現代におけるルシファー救済がもつ特別な意味
VI 赦しの隠された意味
1 赦すことの基本条件
2 赦すこととカルマにおけるキリストの活動
3 赦すことの宇宙的原型
4 赦しがもたらす死後の生活への影響
5 社会の形成力ろしての赦し
VII 赦しの本質と七層のマニ教的秘儀参入
VIII ルドルフ・シュタイナーの人生におけるマニ教衝動
あとがき
補足資料
1 マリー・シュタイナー「和解のための呼びかけ」
2 「呼びかけ」に対するイタ・ヴェークマンの回答
著者註と訳者註
訳者あとがき
288ページ
セルゲイ・O・プロコフィエフ
1954年モスクワ生まれ。モスクワ芸術大学で美術を専攻。若年時にルドルフ・シュタイナーの著作にふれ、秘教的知識に基づくキリストの道に人生を捧げることを決意。共産主義崩壊後、ロシアにおける人智学協会創設メンバーの一人。2001年の復活祭にドルナッハ、ゲーテアヌムにおける一般人智学協会の理事に就任。
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