太陽の門と月の門（ルドルフ・シュタイナー講演集［カルマ的関連の秘教的考察］）

ルドルフ・シュタイナー（著）
丹羽敏雄・浅田 豊（訳・解説）
ベルン、チューリヒ、シュトゥットガルトにおける4回の講演(1924.1.25-4.16)
本書は、1924年1月から4月にかけてベルン、チューリヒ及びシュトゥットガルトにおいて行われた4回のカルマ論講演の全訳です。これはドイツ語版全集 Rudolf Steiner: Esoterische Betrachtungen karmischer Zusammenhänge, 6. Band GA240 の最初の4つの講演にあたります。
「人は、コスモスの中で初めて出会う一人の人間を通して、より深く世界の中を見つめます。一人の人間に初めて出くわす事は一つの幸運でもあるのです。そして人が初めて出くわす一人の人間を通して、世界をよりよく知るというこの事実は、翻って繊細な感情として発達しなければならないのです。秘儀参入者がカルマ的に結びついておらず、いわば宇宙の中で初めて対面することになる一人の人間に出くわすと、彼は直ちに、この人間に対して一つの課題を持ちます。彼はすぐに、アンゲロイの天球からの守護霊、つまり、特にこの人間を守護しつつ向かい合っている守護霊と結びつくという課題を持ちます。 ・・・・
・・・・・彼は、この人間のアンゲロスの言葉を彼の内面に聞き取ります。このことは、秘儀参入者に、彼のこの人間との交際の中にある種の特性を与えます。彼は自ら、彼が知り合う人間にアンゲロスが言おうとすることのいくつかを受け取ります。彼はその人のアンゲロスに変容するのです。」（本文より）
「アントロポゾフィー協会を再建すべく、1923年の暮れにクリスマス会議を開催したルドルフ・シュタイナーは、翌年1月末から、カルマ論の講演を始めました。これは、彼が1902年の秋にドイツ神智学協会の事務局長になった時に、すでに意図していたテーマだったのです。しかし当時の会員たちには、そのための心の準備ができていませんでした。21年間にわたる活動とクリスマス会議によって、シュタイナーはその準備を整えました。そして1924年、80回以上にわたるカルマ論講演が行われるのですが、今回翻訳した4回の講演は、いわばその序曲、導入の部分にあたります。抽象的なカルマ論ではなく、具体的に、人生においてどのようにカルマが体験できるかが語られています。それは特に人と人との出会いにおいて明らかになります。ここでシュタイナーは、二種類の異なる出会いのあり方について述べています。」（裏表紙より）

[目次]

• 訳者による序文
  
• I　ベルン、チューリヒ、シュトゥットガルトにおける4回の講演
  • 第1講演 1924年1月25日、ベルン
    人間は現在を、直接的な自然環境のみならず、過去の地上生にも負っている／月とは何か／太陽の門と月の門／物質的なものは絶えず流れの中に在り、消え去っていく／月〜必然性〜過去、太陽〜自由〜未来／人生における人との出会い、月的なものと太陽的なものの織りなし／人と人の出会いのあり方／脳と悟性／宇宙的運命の感受／クリスマス会議の諸衝動
    
  • 第2講演 1924年4月16日、ベルン
    クリスマス会議で生まれた新しい衝動／人類の歴史的発展と実践的カルマへの問い／古代の、父と子と聖霊の秘儀／キリスト教における自由への衝動／ムハンマド主義における対抗的衝動、ハールーン・アッラシードと彼の宰相／転生したハールーン・アッラシードとその宰相／コンラート・フェルディナント・マイヤーにみるカルマと転生／ペスタロッチ
    
  • 第3講演 1924年1月28日、チューリヒ (不完全な速記記録による)
    太陽の門／2人の人間の出会い／カルマ的に結びついていない人間の出会い／クリスマス会議から流れ出る衝動
    
  • 第4講演 1924年2月6日、シュトゥットガルト
    月の地球からの分離と月の霊的本性たち、人類の太古の叡智／運命としての人との出会い／過去とは関わらない、もうひとつのタイプの出会い／過去生との関わりにおける2つのタイプの出会いの違い／知的な面識の場合／病気について、人間の道徳生活と自然生活／クリスマス会議とアントロポゾフィーの使命
    
• II　訳者による解説
  • 追悼:丹羽敏雄さんを偲んで　内田純一

寸法：横 約14.8cm×縦 約21cm×厚み 約12mm
160ページ
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