名言で辿るR・シュタイナーの思想と生涯
[本]
ルドルフ・シュタイナー(著者)
竹下哲生(編著)
◆第一線で活躍するシュタイナー研究者34名が心揺さぶられた名言、人生観が変わった名言を抜粋し、解説を収録。シュタイナーの生い立ちから、アントロポゾフィー運動の発展を100の名言で概観する。生涯で6,000回にも及ぶ講演を行い、芸術、教育、医療、経済、農業、哲学、自然科学など幅広い分野に深い影響を与えたシュタイナーの思想は如何に形成され発展したか。日常生活の中に深いインスピレーションをもたらす示唆に富んだ一冊。竹下哲生編著、寄稿者34名。
【もくじ】
- はじめに
- ◆第一章:幼少期からウィーン工科大学へ 1861-1884
- 最初の記憶
- 駅の待合室で
- 幾何学との出会い
- イマヌエル・カント
- ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ
- カール=ユリウス・シュレーアー
- フランツ・ブレンターノ
- 薬草収集家 フェリックス・コグッツキー
- ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
- 時間と空間
- フリードリヒ・フォン・シラー
- 反ワーグナー主義
- 悲観主義との戦い
- 唯名論と実念論
- 水頭症の少年
- 最初の記憶
- ◆第二章:『自由の哲学』へ至る道 1884-1893
- マリー・オイゲニー・デッレ・グラツィエ
- アリストテレス主義的美学
- 認識的宗教体験
- 神秘主義の問題
- 満足のいく世界観
- 遅くされる成長
- メルヒェン『緑蛇と美しい百合姫』
- 学位取得
- 未来の哲学に必要な新しい認識論の誕生
- エルンスト・ヘッケル
- モットー
- 完成(エドゥアルト・フォン・ハルトマン)
- 自由の哲学から読み解く心臓の秘密
- マリー・オイゲニー・デッレ・グラツィエ
- ◆第三章:ワイマールからベルリンへ あるいは哲学者から神秘思想家へ1893-1902
- フリードリヒ・ニーチェ
- 冷たい合理主義者
- クリスマス・プレゼント
- 感覚の世界に目覚める
- 瞑想の必然性
- シュタイナーの人生区分
- 雑誌の編集者になる
- キリスト体験
- ゲーテとヘーゲルの限界
- 結婚
- 労働者学校にて
- マリー・フォン・ジーフェルス
- 啓示の書から自然の書へ
- キリスト教と古代の密議
- フリードリヒ・ニーチェ
- ◆第四章:学問として始まるアントロポゾフィー 1902-1909
- 事務総長就任
- かつて失われ、今再建されるべき神殿
- 生きる上での強さと確かさ
- 真理へ向き合うための礼儀作法
- 修行の道
- 精神的な努力とは
- 死者の自己意識
- あなた方は神々である(ヨハネ福音書第10章34節)
- 現在のハチのコロニー崩壊との関連で
- アストラル的歓楽
- 死は復活である
- 第五福音書
- 「学ぶ」ということと忍耐
- シュタイナーが求める読者
- 数学的思考の「人間化」
- 事務総長就任
- ◆第五章:いのちを与える芸術 1909-1916
- 芸術的衝動
- 建築論
- 火星人でも分かること
- コウモリのつくる 不気味な「空気」
- 「正しい言葉」とは
- 音楽的なものの本質
- オイリュトミー・新生の芸術
- 神秘劇
- 出来事を現象の始まりと見る
- 芸術的直観
- オイリュトミー
- 服飾の精神性
- 愛の礎石
- 今を生きる人の課題
- 歌うことの意味
- 芸術家の使命
- 芸術的衝動
- ◆第六章:発展する社会運動 1916-1923
- 第一次世界大戦
- 自由な精神生活
- 自由ヴァルドルフ学校
- 3歳までに身につける「歩く」「話す」「考える」
- 四肢組織の中心点は円球である
- エンパシーの力から生まれる倫理
- 物質の帰依
- 人間の形 ---人間の二重性---
- 成長の足枷となる能力
- ホメオパシーとアロパシー
- 社会問題の公理
- 肉体とは
- 賢者の石とダイアモンド
- キリスト者共同体設立について
- 炎上
- 第一次世界大戦
- ◆第七章:クリスマス会議と晩年 1923-1925
- 運動のセクト化は古い衝動に由来する
- 精神科学自由大学
- 人生の謎を解くカルマ研究
- 自我意識の獲得の条件
- ヴィルヘルム・ノイマン
- 農業の本質
- 炭素について
- 農の「深化」とバイオダイナミック
- 原植物の理念
- どの子にも必要なこと
- 永眠
- 運動のセクト化は古い衝動に由来する
- おわりに
- 著者・編著者紹介
- 寄稿者紹介
- ◆寄稿者:
- 上松恵津子(オイリュトミスト)
上松佑二(建築家)
浅田豊(オイリュトミー療法士)
安達晴己(アントロポゾフィー医学医師・プライマリケア医師)
イェッセ・ミュルダー(哲学博士/ユトレヒト大学)
今井重孝(青山学院大学名誉教授)
入間カイ((学)那須みふじ幼稚園/理事長・園長)
遠藤真理(日本語教師・大学非常勤講師)
小澤裕子(漢方専門薬局 悠久庵/管理薬剤師)
小貫大輔(東海大学国際学科/教授)
香川裕子(オイリュトミスト)
假野祥子(農家)
輿石祥三(キリスト者共同体司祭)
小林直生(「ヨーロッパ精神史研究所」主宰・人智学者)
嵯峨昌紀子(「M」ジュエリーデザイナー・看護師)
佐藤公俊(翻訳家・芸術批評家)
佐藤俊夫(内科・精神科・東洋医学/たいようクリニック院長)
澤口安城(外資金融機関勤務)
煖エ祐太(アートディレクター・デザイナー)
竹田喜代子(シュタイナー音楽教育者・アントロポゾフィー音楽療法士)
鳥山雅代(オイリュトミスト・教育者・翻訳家)
中谷三恵子(オイリュトミスト・東京ミヒャエル支部代表)
丹羽敏雄(津田塾大学名誉教授)
はたりえこ(オイリュトミスト・国際ヴァルドルフ教育フォーラムメンバー)
林明子(保育士)
藤井馨子(オイリュトミスト・オイリュトミー療法士)
松浦園(日本シュタイナー幼児教育協会/代表理事)
松本夏樹(大学講師)
森尾敦子(シュタイナー療育センター/代表)
森章吾(ゲーテ・シュタイナー的自然科学者)
山本忍(内科医/神之木クリニック院長)
吉田恵美(オイリュトミー療法士)
吉田和彦(音楽家)
和田悠希(翻訳家・セラピスト)
◆著者:ルドルフ・シュタイナー
1861年〜1925年、満64歳没。ルドルフ・シュタイナーは旧オーストリア帝国(現クロアチア)出身で、ドイツ語圏を中心とするヨーロッパで活躍した神秘思想家であり、哲学博士でもある。ウィーン工科大学で物理学・数学・化学などの自然科学を学んだのち、ヴァイマールにてゲーテ全集・自然科学論考文の編集委員として勤務。1902年にベルリンで神智学協会ドイツ支部が設立された際には初代事務総長に就任し、それ以降は神秘思想家として彼独自の世界観であるアントロポゾフィー(人智学)を展開していく。それが主著『神智学概論』としてまとめられた後は活動の分野を芸術へと広げ、劇作活動に始まり建築・絵画・音楽など様々な示唆を与え、オイリュトミーという全く新しい運動芸術を創始している。第一次大戦が終わってからは独自の社会論を展開して社会実践を始め、特に1919年に始まった自由ヴァルドルフ運動は日本でも「シュタイナー教育」として有名であり、その他にも医学や農業など多岐に亘る分野で様々な示唆を残している。また彼が自らの思想を培う為に晩年に設立した普遍アントロポゾフィー協会はスイスに現存し、生涯で6,000回にも及ぶ彼の「精神科学」に関する講演は354巻のシュタイナー全集(現在でも未完)として刊行されている。
◆編著者:竹下哲生
1981年香川県に生まれ、高校卒業後に2000年渡独。南ドイツでの酪農実習を経て2002年にキリスト者共同体の自由大学に入学。しかし体調不良により司祭叙階を断念し2004年に帰国。以来、参加者の疑問に答えるという形式の講座(概念デザイン)を日本各地で開催。哲学的・神学的立場から学際的な思考を展開し、得意とする分野は教育・西洋精神史・有機化学・生化学・栄養学・醗酵・農業・芸術史・現代文化批評など多岐に亘る。また講演活動の傍ら、翻訳・通訳業も熟す。著書は『硫黄・塩・水銀プロセス』や『愛の栄養学』、共著に『収穫---人と空と大地』や『親の仕事、教師の仕事---教育と社会形成』、訳書にはミヒャエル・デーブスの『三位一体』上下巻やヨハネス・グライナー『ロックミュージックのオカルト的背景』、リューダー・ヤッヘンスの『アトピー性皮膚炎の理解』など多数。
寸法:横 約10.3cm×縦 約18.2cm×厚み 約15mm
252ページ
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