シュタイナー・コローメソッド 光と闇と色彩の絵画療法
[本][健康・医学・治癒教育]

リアン・コロー・デボア Liance Collot d'Herbois(著)
島田昌幸(訳)/前田加奈子(監修)
「本書は、絵画の創造的活動を治癒に活かす絵画療法の実践書です。ここに語られている色彩論は、人間への深い洞察でもあります。」
「色が語りかける。
色彩の力を使って 心と身体のバランスを整える。
コロー・メソッドは、ゲーテやシュタイナーの色彩論を基盤に、リアン・コロー・デボアが生涯をかけて開発したアートセラピーの手法です。
このメソッドは、光と闇、そしてその間に生まれる色の関係性を活用し、心と身体に働きかけます。」(本書オビ文より)
「コロー・デボアの業績と発見が、なぜ治療の発展にとって重要のでしょうか。それは、二つの流れ、すなわち芸術的なものと医学的なものとが、ルドルフ・シュタイナーの人間の精神世界の研究に基づいているからです。もし、医師が特定の患者のために治療薬を見いだそうとするならば、人間の発達に関連させて、物質の起源の原理を探る必要があります。同様に、色彩が治療薬となる場合には、人間との関連性を踏まえ、色彩の出現を闇と光の力にまでその起源を辿る必要があります。
ハウシュカ博士は医師として芸術療法の基礎を準備しました。シュタイナーが「健康と病気は、色彩の理論に照らして見るべきである」(GA291) と助言したことからも、コロー・デボアが絵画療法の発展に重要な貢献を果たしたことがわかります。
コロー・デボアはルドルフ・シュタイナーの霊学と色彩論を基礎としながら、その上に彼女自身の研究を積み重ねました。こうして彼女は、光と闇の創造力の狭間における色彩の動きを正しく捉え、その特性を明確にすることができました。」(P20「リアン・コロー・デボアの活動歴」より)
以下「訳者あとがき(謝辞)」より
「翻訳を終え、改めて本書を読み返してみると、気軽に読んで理解できる内容ではないと痛感します。本書の内容は、実際に絵筆や木炭を手にして描きながら、少しずつ消化していくことで理解が深まるのではないかと思います。そこで可能であれば、前田加奈子さんや石塚佐久良さん (Sakura Ishizuka Morris)の絵画講座に参加することをお勧めします。また、海外へ出かける機会があれば、オランダ、フランス、オーストラリアなどの教室に参加するのもよいでしょう。
しかし、絵画教室への参加が難しい場合には、どのように取り組めばよいのでしょうか。そのような場合には、本書50ページ「絵画セラピストの訓練について」およびアページ「絵画療法について」を丁寧にお読みいただき、実際に取り組まれることをおすすめします。
「絵画セラピストの訓練について」では、日常生活の中に美しい色彩の世界を取り入れるための方法が示されています。まずは、“自らの内面にいるセラピスト”として、ご自身と静かに向き合ってみてください。そうすることで、「絵を描くこと」「素描と観察」「光と闇の間に生じる虹」といった項目は、セラピストを志すための楽しい案内や助言集になるでしょう。
また、「絵画療法について」では、人体およびそれを構成する諸器官に関する理解を、色彩という視点から深めることを目指しています。健康と病を色彩の視点から観ることができる、ユニークで実践的な力を育む内容となっています。
私が翻訳を始めたきっかけは、オーストラリアでの絵画療法コース (Sienna Academy.com.au) に参加したことでした。その際、使用されたテキストが本書であり、研修内容を深く理解する上で非常に重要なものでした。しかし、内容が難解であったため、「もし翻訳書があれば」と思ったことが、自ら翻訳に挑戦する動機となりました。」(本書P404〜405「訳者あとがき(謝辞)」より)
【目次】
- はじめに(監修者)
- 読者へのお勧め
- 謝辞(エメラルド財団)
- 原文編集者の序文
- リアン・コロー・デボアの活動歴
- 第1部 光と闇の創造力
- 光と闇
- 光の性質
- 三次元
- 二次元
- 四次元
- 一次元
- 三次元
- 光の悲劇
- 光、闇、色彩そして人間
- 要約
- 木炭画における光と闇
- 木炭画のエクササイズ
- 中間光
- 弱い光
- 強い光
- 中央光
- 中間光
- 木炭画の結論
- 光の性質
- 絵画セラピストの訓練について
- 色彩思考
- 絵を描くこと
- 素描と観察
- 光と闇の間に生じる虹
- 描画はどのように始めたらよいか
- 画材
- 色彩思考
- 絵画療法について
- 患者と一緒に絵を描く
- 層技法で描く
- ぬらした紙の上での絵画
- 発達の遅れた子
- 短期間の治療
- 患者と共にワークする
- 患者の絵を診断する
- 層技法で描く
- 患者と一緒に絵を描く
- 光と闇
- 第2部 色彩とその様々な側面
- 序文
- マゼンタ色
- 古インド期
- マゼンタ色の特徴
- マゼンタ色が関係する病気
- 非常に明るいマゼンタ色
- 非常に暗いマゼンタ色
- 非常に明るいマゼンタ色
- 治療
- 非常に明るいマゼンタ色
- 非常に暗いマゼンタ色
- 非常に明るいマゼンタ色
- マゼンタ色を描く
- 古インド期
- カーマイン色
- 古ペルシャ期
- カーマイン色の特徴
- カーマイン色の治療的性質
- カーマイン色の否定的側面
- カーマイン色が関係する病気
- 非常に明るいカーマイン色
- 非常に暗いカーマイン色
- 非常に明るいカーマイン色
- 治療
- 非常に明るいカーマイン色
- 非常に暗いカーマイン色
- 非常に明るいカーマイン色
- カーマイン色を描く
- 最初のエクササイズ
- 第二番目のエクササイズ
- 第三番目のエクササイズ
- 第四番目のエクササイズ
- 最初のエクササイズ
- 治療
- 古ペルシャ期
- バーミリオン色とスカーレット色
- 古ベルシャ期からエジプト期への移行
- バーミリオン色の特徴
- バーミリオン色の治療的性質
- バーミリオン色の否定的側面
- スカーレット色の治療的性質
- バーミリオン色に関連する病気
- 非常に明るいバーミリオン色
- 非常に暗いバーミリオン色
- 非常に明るいバーミリオン色
- 治療
- 非常に明るいバーミリオン色
- 非常に暗いバーミリオン色
- 非常に明るいバーミリオン色
- リウマチ
- バーミリオン色を描く
- 古ベルシャ期からエジプト期への移行
- オレンジ色、バーントシエナ色、ブラウンマダー色
- エジプト期
- オレンジ色
- オレンジ色の特徴
- オレンジ色の治療的性質
- オレンジ色の関係する病気
- 非常に明るいオレンジ色
- 非常に暗いオレンジ色
- 非常に明るいオレンジ色
- オレンジ色の病気に対する絵画療法
- 非常に明るいオレンジ色の治療
- 非常に暗いオレンジ色の治療
- 非常に明るいオレンジ色の治療
- オレンジ色を描く
- オレンジ色の特徴
- バーントシエナ色
- 意識魂 --- 十七世紀におけるオランダの黄金時代
- バーントシエナ色の特徴
- 治療的性質
- 意識魂 --- 十七世紀におけるオランダの黄金時代
- ブラウンマダー色
- 黄色
- 二枚の絵
- 黄色の特徴
- 黄色の本来の存在
- 治療的性質
- 黄色が関係する病気
- 黄色を描く
- 二枚の絵
- 黄緑色とサップグリーン色
- クレタ文明
- 黄緑色の特徴
- 黄緑色の治療的性質
- 黄緑色の病気
- 二枚の絵
- ヒステリー
- 重度のヒステリー
- 二枚の絵
- 治療
- 軽度のヒステリー
- 重度のヒステリー
- 軽度のヒステリー
- クレタ文明
- サップグリーン色
- 治療的性質
- 黄緑色を描く
- 治療的性質
- 緑色
- 序文
- ギリシャ文化期
- 緑色の特徴
- 緑色の治療的性質
- 緑色が関係する病気
- 癌
- 治療
- 癌の色々な事例
- 肝臟癌
- 骨癌
- 背骨の癌
- 胸部癌
- 癌
- 糖尿病
- 治療
- てんかん
- 治療
- 緑色を描く
- 序文
- 光の前方の色彩から光の後方の色彩へ
- ターコイズ色
- ビザンティウム文明
- ターコイズ色の特徴
- ターコイズ色の否定的側面
- プルシアンブルー色
- ターコイズ色の治療的性質
- ターコイズ色の病気
- 非常に暗いターコイズ色
- 非常に明るいターコイズ色
- 神経衰弱
- 神経症
- 神経質
- 神経衰弱
- 治療
- 非常に暗いターコイズ色の絵画療法
- 喘息
- 非常に明るいターコイズ色の絵画療法
- 神経衰弱
- 神経症
- 神経質
- 非常に暗いターコイズ色の絵画療法
- ターコイズ色を描く
- ビザンティウム文明
- コバルトブルー色
- 中世(九〜十五世紀)
- コバルトブルー色の特徴
- 人体の色々な部分でのコバルトブルー色の働き
- 神経系
- 血液
- 膀胱
- 骨格
- 腺
- 神経系
- 将来の発達
- 治療的側面
- 否定的側面
- コバルトブルー色に関係する病気
- 非常に明るいコバルトブルー色
- おもらし
- 結核
- 治療
- 非常に暗いコバルトブルー色
- 治療
- 非常に明るいコバルトブルー色
- コバルトブルー色を描く
- ウルトラマリーン色
- 中世(九〜十五世紀)
- インディゴ色
- 意識魂の時代
- インディゴ色の特徴
- 骨格
- インディゴ色の治療的性質
- 絵画療法におけるインディゴ色
- インディゴ色が関係する病気
- 治療
- 非常に明るいインディゴ色
- 自閉症
- 神経性拒食症
- 心臓と循環の問題
- 強迫観念
- 自閉症
- 非常に暗いインディゴ色
- 脱灰化
- アパシー(無気力)
- 便秘症
- 魂の拘束症
- 萎縮症
- 脱灰化
- インディゴ色を描く
- 意識魂の時代
- バイオレット色
- バイオレット色の特徴
- 自然の中でのバイオレット色
- 明るいバイオレット色
- 明るいバイオレット色の特徴
- コバルトバイオレット色
- 中間バイオレット色と濃いバイオレット色
- バイオレット色の動き
- バイオレット色とバーミリオン色
- 否定的側面
- バイオレット色の治療的性質
- 明るいバイオレット色の治療的性質
- バイオレット色の病気
- 非常に明るいバイオレット色
- 治療
- 非常に暗いバイオレット色
- 治療
- 非常に明るいバイオレット色
- バイオレット色を描く
- バイオレット色の特徴
- 翻訳者あとがき
- 参考文献
- ルドルフ・シュタイナーの出版物
- 他の著者の出版物
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- プロフィール
リアン・コロー・デボア(1907-1999)
人智学を基盤にした画家、絵画療法「コローメソッド」の開発者である。21歳の時、イタ・ヴェーグマン博士と出会い、アーティストとして芸術療法の開発を依頼された。それが彼女の最重要な仕事になり、後に絵画療法士育成の重要な組織づくりへと発展した。著書としては「色彩」「講義録:光と闇と色彩の絵画療法」「コローの生涯と作品集」がある。
島田昌幸
1937年生まれ。職業能力開発総合大学校名誉教授。中学、高校の教員等を経て、職業能力開発総合大学校教授、同大学校医療カウンセリングセンター所長、群馬医療福祉大学教授、85歳退職。35歳頃から日本及び海外(米国、英国、ニュージランド等)において人智学を学ぶ。オーストラリアでの絵画療法コース(シエナアカデミー)修了。
前田加奈子
国際絵画療法士免許、中高美術教員免許、MFA
現代アート作家として活動の後、オランダのエメラルドファウンデーションで医療絵画療法士のディプロマを取得し、あげつまクリニックにて絵画療法士として勤務。その後、特別支援学校で子どもたちに美術を教える。現在は、海外でアートを通して子どもたちに関わって笑いながら生きている。
本の大きさ:横 約15.6cm×縦 約21.6cm×厚み 約30mm
416ページ
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